環境への取り組み
当社では、これまでも環境に優しい企業を目指し、保有船舶での最新の廃油処理装置の採用、環境に配慮した船底塗料の使用等、規則を先取りした環境保全活動に努めてきましたが、環境への取り組みを更に強化するため、2005年11月に環境マネジメントISO14001認証を取得し、これまでのノウハウを融合させて第一中央汽船「環境方針」として明文化し、海陸一体となって一層の環境保全に積極的に取り組んでいます。
第一中央汽船環境方針
基本理念
船舶においては、海難事故発生時はもちろんのこと、日常の運航においても海洋や大気、動植物等の私達を取り巻く地球規模での環境に大きく関係していることを重要視し、美しい環境を次の世代に引き継ぐため、第一中央汽船は全社一丸となって環境保全に積極的に取り組みます。
基本方針
- 地球規模での環境保全活動を推進するため、スリーゼロ(人身事故ゼロ、海難事故ゼロ、油濁事故ゼロ)を目指し、海陸一体となって船舶の安全運航と環境汚染の予防に取り組みます。
- 第一中央汽船の環境マネジメントシステムに基づいて行動し、国内外の環境に関連する法律等の順守はもとより、より一層の環境管理の向上に努めます。
- 会社の活動が環境に大きく影響することがあり得ることを考慮し、環境を保全するための目的や目標を定め、これを定期的にレビューしながら環境保全活動を継続的に展開します。
- 船舶運航及び陸上業務に伴い発生する廃棄物は、発生量の削減、再利用に努め、省エネルギー、省資源を推進します。
- 新造船の建造時や、船舶の保船管理において、環境に配慮した資材調達に取り組みます。
- 環境教育を通じて、社員の環境保全意識の向上を図るとともに、環境保全活動への参加を積極的に行います。
- 環境方針は文書化し、社員及び会社のために働く全ての人に周知するとともに、一般に公表します。
海洋汚染防止
油濁事故対応演習
環境を考えた船底塗料
- 船内廃棄物の処理
船内で発生した廃棄物の処理に関しては、廃棄物管理責任者を選任した上で「船舶による汚染の防止のための国際条約」(MARPOL73/78)の規定に従い、環境マネジメントシステム手順書にて適切に管理しています。 - バラスト水(荷物を積んでいない時に船を安定させる為に錘として積み込む海水)の張り替え
貨物を積んでいない空船時に、船体の安定性/復元力を確保するため、船舶は貨物の揚荷と同時にバラスト水を積み込み、貨物の積荷と同時にこのバラスト水を排出します。近年、このバラスト水とともに運ばれる海水中の微生物(海洋生物)が、各国海域の生態系のバランスに大きな影響を与えるとして問題視されています。 第一中央汽船グループでは環境マネジメントシステム手順書の中にバラスト水の管理規定を設けると共に当社独自の「バラストマネジメントプラン」を作成し、国際海事機関(IMO)ガイドラインに準拠したバラスト水の漲り替え作業を実施しています。 - 油流出による海洋汚染の防止
衝突・座礁等の重大事故発生時には海洋に悪影響を及ぼす燃料油、貨物油等の流出による海洋汚染が危惧されます。第一中央汽船では、安全運航への各種取り組みとともに「船舶による汚染防止のための国際条約」(MARPOL73/78)及び国内法である「海洋汚染および海上災害防止に関する法律」に従い、環境マネジメントシステム手順書に沿った演習及び船内教育を実施しています。また、船内で発生した廃油、ビルジ(各機器から発生し、機関区域船底部に溜まる油分混合物)の処理も油濁防止管理者の下、適切な処理を実施しています。 - 船底塗料の規制
船底に海藻類やフジツボ等の貝類が付着すると、船の速力の低下と燃料消費量 の増加が懸念されるため、今までは一般的に有機スズを含む船底塗料が使用されてきました。しかし、この有機スズが海中に溶けだし海洋生物の体内に蓄積され、ひいては環境ホルモンとして人体に悪影響を及ぼすことが指摘されました。これに対して、国際海事機関(IMO)では有機スズ系船底塗料の規制に関し、「2003年1月1日以降船体への塗布禁止、2008年1月1日以降船体への存在禁止」を決議、採択しました。 第一中央汽船グループでは1990年以降の国内建造船において、環境に配慮した非スズ塗料を採用しています。現存船においても、全廃に向け順次非スズ塗料への塗り替えを完了しています。 - 船尾管シール装置
船尾管シール装置は、船内への海水流入を防止すると共に、プロペラ軸に使用される潤滑油が船外へ流出することを防止する装置であり、船体のプロペラ軸貫通部に装備されます。当社では、エアシール型船尾管シール装置の採用、又は予備シールを装備することにより漏洩防止を強化しています。
大気汚染防止
最適ルーティングの航路選定
機関の適切な燃焼管理による大気汚染の防止
- CO2
CO2は地球温暖化の主たる要因の1つと言われています。船舶においてこのCO2の発生を抑制するためには、燃料消費量 の削減が効果的と言えます。 当社では、最適ルーティングの航路選定による運航効率の追求、排気ガスエネルギー再利用システムの装備、定期的に造船所にて行う船底掃除やプロペラ研磨、及び機関の適切な燃焼管理等により、CO2発生の抑制を図っています。 - NOX / SOX
酸性雨の原因といわれているNOX / SOXには陸上施設ではその排出規制が設けられています。船舶に対しても「MARPOL73/78* 付属書VI(船舶からの大気汚染防止のための規制)」のなかで、NOX / SOXの排出に関して基準となる条項が採択され、2005年5月19日に発効しました。当社では2000年1月1日以降の起工船において、すでにこの規制に適合する機関を搭載しています。 - フロン
フロンは、CFC・HCFC・HFCに区別されますが、CFC,HCFCがオゾン層を破壊することがわかり、これら有害冷媒の使用を規制する1985年「ウィーン条約」及び1987年「モントリオール議定書」が採択されました。これに従い、R-12(CFC)は1995年に既に生産終了となりました。R-22(HCFC)についても規制が強化されている段階です。 船舶においても陸上同様、冷凍・空調設備にこれら冷媒が使用されており、当社ではCFC、HCFCに代わる新冷媒の導入を順次進めています。 - ダイオキシンの発生防止
ダイオキシンは、身の回りのゴミや廃棄物の焼却など、物を燃やすところから主に発生します。当社では、焼却炉からの排気ガスを急冷することによりダイオキシンの発生を防止するタイプの焼却炉を全ての新造船に採用しています。